マルゲリータ

"ピザ"と聞いて真っ先に思い浮かぶものと言えば、マルゲリータだ。

 

マルゲリータとは、トマトソースが塗られたパン生地の上にチーズとバジルが載せられている、あの食べ物のことだ。トマトの赤、チーズの白、バジルの緑の3つをイタリア国旗に見立てて作ったことが起源になっていたりもする。そして、そのシンプルな見た目とは裏腹に、ピザの中でも人気なものの1つだ。

 

しかし、そんなマルゲリータのことを改めて考えてみると、なぜあそこまでの人気があるのか不思議で仕方がない。所詮は、パンの上にトマトとチーズが載っているだけ。これ見よがしに散りばめられたバジルも、イタリア国旗の緑だということを抜きにすれば、その存在意義があるのか怪しいところだ。

 

では、一体マルゲリータの何が良いのだろうか。

 

まず、間違いなく、バジルではないのは確かだ。しわくちゃになっていることも多く、逆にシャキッとしていたらそれはそれで困ってしまい、中には載っていないものもあるくらいの、あのバジルに魅力を感じている人は、ほぼいないはずだ。

 

次に、パン生地。これに関しては、魅力を感じる人がいても全く不思議ではない。サクッとした食感が好きな人。逆に、モチっとした食感が好きな人。色んな人がいるはずだ。しかし、これはすべてのピザに言えることであって、マルゲリータでなければならない理由にはなり得ない。これは、トマトソースにも言えることだ。

 

最後に、チーズ。チーズはチーズでも、マルゲリータに使われるのは、モッツァレラチーズだ。このモッツァレラチーズ、マルゲリータの画像を色々探してみると、まるで自分が主役だと言わんばかりにドカッと載っているものが多く見られた。

 

そうか、モッツァレラチーズこそがマルゲリータの本質だったのか。このモッツァレラチーズを味わうことこそが…と思ったが、これも違う。モッツァレラチーズは、別にそこまで美味しいものではない。いや、これでは語弊を生みかねないので訂正しよう。モッツァレラチーズは、シンプルでクセのない味だが、それ単品で楽しめるものでは決してない。

 

 

さて、マルゲリータはなぜ人気なのか。ここまで色々書いてきたが、その答えはとても簡単だ。マルゲリータは、パン、トマト、チーズ、バジル、これらシンプルな食材すべてが合わさることで、その素晴らしい味が引き出されているのだ。

 

分かりやすい例を出すならば、寿司のことを考えてみてほしい。寿司は、米の上に魚が載っているだけの食べ物だ。それぞれ個別に食べてもそれなりに美味しいものだが、その2つを合わせた寿司がどうなのかは、あえて語る必要もないだろう。

 

シンプルイズベスト。ただ、パンの上にトマトとチーズとバジルが載っているだけのあの食べ物が、美味しいのだ。