サンタ

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今年はサンタさんに何をお願いしたの?

 

う〜ん、ナイショ!

 

いつもならすぐに答えていた質問だったけど、今年ばかりはそうはいかない。

 

サンタはボクが欲しがっているものを、いつもプレゼントしてくれた。絵本だったり、レゴだったり、ゲームだったり。夜の間に欲しいものをお願いしたら、クリスマスの朝までに毎年ちゃんと届けてくれる。

 

今までは毎年、サンタに何を頼むか迷っていた。何でも自分で買えるわけじゃないし、でもお母さんお父さんに頼むのも苦手だった。だから、欲しいものを何でもひとつくれるサンタさんは、ボクにとっては神様のようなものだった。

 

でも、今年は欲しいものが何も思い浮かばなかった。何も欲しいものがないわけではなかったけれど、サンタにしか頼めないものがなかった。いつもは多すぎて決められなかったのに。

 

何か、サンタにしか頼めない特別なもの。それを考えていたある日のこと。ご飯の後片付けの手伝いをしていると、お母さんがこんなことをつぶやいた。

 

食洗機が欲しいな。

 

ボクが言うのも何だけど、お母さんは自分の欲しいものの話は全然しない。いつもボクたち子供のことを一番に考えてくれている。でも、そんなお母さんが口にしたこの言葉はボクの印象に強く残った。

 

そうだ、サンタに食洗機をお願いしよう。

 

それからは毎日、夜寝る前にサンタにお願いをした。お母さんには何度も聞かれたけど、ずっと教えなかった。いつもに比べると今年はなぜか何回も聞かれた気がするけど、何とかしてごまかし続けた。お母さんを驚かせるために、決してバレてはいけなかった。

 

そして、クリスマスイブ。念には念をと、夜寝る前にもう一度サンタにお願いした。食洗機をください。お母さんが欲しがっていた食洗機をください…

 

 

クリスマスの朝、ボクはいつもより少し早く目が覚めた。ドキドキしながら見回すと、枕のすぐ横に少し膨らみのある大きな靴下が置いてあった。

 

恐る恐る中を取り出してみると、それはボクが少し前に欲しいと言っていた流行りのオモチャだった。