生まれて初めて「ワキガ」を体験した話

最近、ポケモンにハマっている。前評判は散々なものだったが、実際に遊んでみるとストーリーもなかなか面白く、今は育て屋の前を自転車で彷徨く日々を送っている。

 

そんなポケモン漬けの僕だが、もちろん1人の人間である。ずっと家に篭って遊んでばかりいると、お腹が空いてくる。

 

出前を頼むというのも選択肢の1つだが、その時はもう夜も遅かった。さすがにこれは無理だろう。

 

仕方なくコタツから抜け出して、コンビニへ向かう。少し前までコタツでぬくぬくしていた僕には、真冬の夜は、刺激が強い。

 

聞き慣れた音を潜り抜け、まっすぐフードコーナーへ歩いていく。

 

この店員は、やる気があるのだろうかないのだろうか、そんなことを考えながら(多分ないと思いつつ)弁当を見ていたら、突如、異臭を感じた。

 

 

ん?

 

 

んんん???

 

 

え、ちょっと待て。この臭い、クサイとかいうレベルを超えてないか??雑草というか、酸っぱいというか、ゴミ捨て場から溢れたゴミが集まってできたゴミの塊の中から滲み出た臭いというか…

 

 

いや、そんなことはどうでもいい。

 

臭い、臭すぎる。

 

 

この臭いは一体どこから…?

 

 

まさか…自分から出てないか…?そう思った僕は自分の腕、手、頭、体、おおよそ臭いが及んできそうな部分を嗅いで回った。

 

 

しかし、臭わない。この信じられない異臭は、自分からは出ていない。

 

 

ほっとした。心底、安心した。僕はまだ、こんな異臭を放つ人間ではなかったのだ。うれしいぃぃぃ〜!!

 

 

 

 

いや、待てよ。なら、この臭いはどこから出ているんだ…?

 

 

ここに来て、僕はあることに気づいた。

 

 

僕の隣に、同じく弁当を選ぶおばさんがいたことに。

 

 

 

 

 

おまえかぁあぁぁぁぁ!!?、!、、!!

 

 

 

 

いや、おかしいと思ったんだよね。まだ若いし、こんな臭い放つわけないでしょ。はははは…。

 

 

そう思いつつ、こっそり周辺の臭いを嗅いで回る。おばさんから少し離れたところでは、臭いはしない。おばさんに最も接近した所で、臭う。

 

 

これは、間違いない。

 

 

 

 

おばさんが臭い。

 

 

 

 

僕は臭くない。

 

 

 

 

 

 

いやーーーー、良かった。本当に良かった。

 

どう考えても、この臭いは世に言う「ワキガ」に違いない。

 

今までは、その実態はボンヤリとしか分からなかったけれど、味わった今なら分かる。これが、ワキガ、なのだと。

 

 

しかし、弁当を買いに来たと思ったら、突然自分の全身の臭いを嗅ぎ始め、さらにはおばさんの周りをウロウロしながら顔をしかめていたと思ったら、突然嬉しそな顔をした、そんな僕のことをコンビニの店員はどう思ったのだろうか。

 

やはり、やる気なさそうにしていたのだろうか。

 

 

 

…いや、そんなことよりも重大なことを忘れていた。

 

 

僕は、おばさんの気持ちを蔑ろにしてはいないか?

 

多少は慮って、ババアと書くのは躊躇ったものの、そもそもおばさんはこの文章を読んでるわけがないのである。

 

そんなことよりも、その時コンビニで自分の周りをウロつかれたことを気に病んでいるのではないのか??

 

その時の僕の動きからして、僕が何を感じて、何をしていたのか、そのおばさんからしてみれば簡単に分かることではなかったのか???

 

 

 

 

 

 

ごめん、おばさん。いや、お姉さん。

 

僕は、あなたの気持ちを考えることが出来なかった。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 

もしかしたら、ワキガであることを気にしてたかもしれないのに、あの時の僕はあまりにも無礼だった。

 

きっともう出会うことはないのだろうけれど、これだけは伝えたい。

 

 

 

僕が今日使ったバスタオルも、あの時みたいな臭いがしたよ、と。

 

「すごいニオイ」#ジェットウォッシャー「ドルツ」


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